ゴキゲン中飛車の紹介
私がよく対局で指す戦法である、ゴキゲン中飛車(以下ゴキ中とも表す)につ
いて紹介します。ゴキ中は現在もプロ・アマ問わず人気な戦法であり、「中飛
車といえばこれ」と言っても差し支えないほどです。この戦法の特徴は、従来
の中飛車とは違って角道をあけることと、圧倒的な攻撃力であり、とにかく駒
を捌いて中央突破を目指す指し回しをします。では、ここからはその歴史と
手順を紹介します。
歴史
まずはゴキゲン中飛車の歴史について紹介します。ゴキ中を開発したのは
近藤正和氏で、中飛車を駆使してプロデビューから10連勝を達成しました。
ゴキ中によって近藤氏は2002年度の升田幸三賞を受賞しており、さらに以
降も他の棋士によるゴキ中関連の升田賞が3例登場しました。
また、近藤氏は2005年に年間勝率0.822を記録し、ゴキ中は棋士間で流行
しました。2008年には主にこの戦法と一手損角換わりによって、年間を通し
て後手番が勝ち越すという異例な出来事も発生しました。ところで、ゴキゲン
中飛車という一風変わった名前は、近藤氏がいつもご機嫌な男であったこと
から命名されました。
手順
次に、ゴキゲン中飛車の手順について紹介します。
※以降は級位者向けに説明しています。

第一図
・後手番ゴキ中

第二図
▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛(第一図)までがゴキ中の
基本図となります。以下、▲2四歩には△同歩▲同飛△8八角成▲同銀△3
三角(第二図)と進めばよく、▲5八金右や▲4八銀などには△3二金や△6二
玉と進めばよいです。また△5四歩に▲2二角成△同銀と進み、▲5三角とさ
れた場合は△4二角で問題ありません。
・先手番ゴキ中

第三図
先手番のときは▲5六歩△3四歩▲5八飛(第三図)と進みます。もし、第三図
において▲5八飛に代わって▲7六歩と指すと、△8八角成▲同銀△5七角と
なり、一方的に馬を作られてしまいます。第三図からは、角や左銀を活用し
て攻め、玉は片美濃囲いで守れば、ゴキ中のよくある序盤の展開となりま
す。
・実践例
最後に実践例を紹介します。

第四図
▲5六歩△8四歩▲7六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲5五歩△6二銀▲5八
飛△5二金右▲6八銀△4二玉▲5七銀△3二玉▲5六銀△4二銀▲4八玉
△3三銀▲3八玉△4二金上▲2八玉△1四歩▲1六歩△6四歩▲3八銀△6
三銀▲7八金△4四銀▲5九飛△3三角▲4六歩(第四図)と進み、穏やかなゴ
キ中vs居飛車の展開となりました。以降、△2四角には▲4七銀上△7四歩
▲3八金△7三桂▲3六歩△9四歩▲3七桂と進めば、木村美濃で右の桂馬
も活用できて十分です。また、第四図から△7四歩には▲4五歩△3五銀▲5
四歩△同歩▲3三角成△同桂と進めば、角を捌けて振り飛車側は十分と考
えてもよいでしょう。
ここでは1つの実践例を挙げましたが、他にもたくさんの展開があります。そ
れぞれの戦法に対するゴキ中の駒組みを覚えるのは大変なので、一部例外
を除き、第四図のゴキ中の駒組みを作ることを意識してみてください。これを
期に皆さんもゴキゲン中飛車を指してみましょう。
