2025年9月稲美支部例会

白陵では、校外練習として稲美支部の例会に参加しています。

先週には運動会、来週には文化祭と行事が目白押し。それぞれの行事の準備で少々疲れ気味な部分もあり、14名が参加しました。初参加の部員も数名いました。

表彰を受けた部員が

A級 準優勝:衣笠、3位:中田

C級 3位:米口

D級 2位:徳永

でした。参加するたびにそれぞれの部員が成果を出しており、良い練習になりました。

顧問もS級に参加して準優勝。

今回も振り返りをしておきたいと思います。

1局目vs居飛車

後手でゴキゲン中飛車を採用。ここは▲3八飛と寄った局面。▲3七桂から穴熊に組むのも考えられるが、本局は激しく攻めあう展開に。

ここでの最善手は△4二飛で、▲3五歩△同歩▲同飛△4五歩▲同歩△同銀。この局面は、記憶にあるだけでも10局以上あってすでに後手良し(だと思っています)。

気になるのは△4二飛に▲8六角。ゴキゲン中飛車においては、▲8六角には注意が必要で、非常によく出てくる手筋。以下、△4五歩▲6四角△4三飛▲4五歩△同銀で難解ながら後手としては十分な流れだろう。▲3五歩には△5六銀が気持ちいいさばきで後手優勢になる。

この局面から▲4四歩△同飛▲5五歩△3四歩▲3九飛。

相手の飛車が使いづらく、振り飛車優勢の流れ。本譜は△4六歩。▲5八銀ならば△5四銀▲4八歩△6五歩で、相手は歩切れで6六の傷があり優勢だろうと思いましたが、普通に△5六銀で勝ちでした。以下、▲同銀△4八飛成▲3四飛△5六歩▲3三角成△同桂▲5六歩△6九銀。ただ、この手順中に後手として一手でも違う手を指すと互角に戻ってしまうので、実戦では指しづらいのかもしれません。

本譜は△4六歩に▲3六銀だったので、△同銀▲同飛△4七歩成で後手優勢が確定したようです。以下、▲5五角△5七と▲同金△4八飛成で飛車が成りこむことができました。

以下は、▲3三角成△同桂で桂馬もさばけてそのまま押し切りました。

2局目vs居飛車

奇しくも2局目も後手でゴキゲン中飛車を採用しました。今回は相手の方が居飛車穴熊でした。

AI的にはほぼ互角の局面。

振り飛車党としては、ここから主導権を握るために△3五歩~△3四飛~△3六歩を狙っていきました。

△3六歩に▲4六歩が手筋の受けですが△4六同銀で問題なし。▲3六飛は△3五銀で飛車を捕獲できるのが強み。したがって、▲3六歩△4七銀不成▲6五歩。

居飛車穴熊の必須手筋で勝負の綾を求めてきましたが、△3六銀成▲2八飛△4七成銀▲3七歩に△6五歩と手を戻すことで、相手は歩切れになり▲2二歩を消したのが大きい。

先手は歩を求めて▲1五歩から暴れてきて数手進んだのが次の局面。

局面としては後手が優勢ですが、▲2二と~▲2三とで勝負形に持ち込まれるのが嫌らしい局面。△2五香で飛車が取れますが、▲2二と△2八香成▲2三とで、思いのほか先手陣が堅く、実戦的に勝負はわからない。

△5二金左は感触のいい手で本筋。ただ▲3一角成で馬を作られたくないし、▲6四桂が残るのも嫌。ということで、△6四香!△6六歩の突き出しがあるのと▲2二とを消して完封を目指した一着。

そこからさらに優勢を拡大して次の局面。

△6九角▲6八金引△3六角成とした局面ですが、ここは△1四角成として、▲2四飛を消しつつ4一とを払うのが完封の指し方でした。ここで▲3四香で大駒をさばかせてしまったのは反省所。ただ、そこで△4四角▲2四飛△5六歩▲同歩△5七歩▲2一飛成△5八歩成▲5一と△7一金▲1二竜△2二歩▲1三竜△6八と▲同銀△6六歩が冷静な攻めで、そのまま押し切った。

ここでは△5七歩からのと金攻めもあるが、△6六歩~△6七金がより厳しい。穴熊には6筋にと金を作る(6七に駒をぶち込む)のが良い手となりやすい。

3局目vs変則向かい飛車

こちらの中飛車に対して、△4二銀~3三銀と一風変わった出だし。

相手の方は、△4四銀~△3三角~△2二飛を狙ってきているので、今回は▲4六銀で受け止める方針にしました。

相手の美濃囲いに対して、端攻めを狙うために▲6六角。ただし、▲5六歩との相性は良くないため、早めに▲2八玉と上がりたい局面。

ただし、△7三銀と上がられると8筋の歩を交換できないため、▲8四歩△同歩▲同角と進めましたが、△5三銀▲6八金△8六歩と激しく攻めてきました。

ひと目△8六歩は無理筋ですが、▲8八歩ではおもしろくないため、▲7八金~▲5九飛~▲8九飛を狙います。

対局中は△7五歩を気にしていました。▲8六飛△7六歩▲同飛△8三歩で、局面が落ち着いてしまうと相手玉は玉頭の厚みで互角の流れになってしまいます。ただ、△7五歩に▲同角があり、△同銀▲同歩で相手は歩切れで次の▲8六飛が厳しく残るため先手有利である。

本譜は、△7三銀引▲4八角△4二角と進んで数手後。

△7五歩からの抑え込みを狙ってきましたが、ここで▲5五歩が気持ちいいさばき。以下、△7五歩▲5六飛△5五歩▲同銀で、5筋突破が叶う展開に。以下、飛車も成りこんでそのまま押し切りました。

4局目vs居飛車ミレニアム

この相手とは前回の例会でも負けており、今回も同じ戦型。

△6四角と打った局面。意味は難しいですが、△8六歩▲同歩△同角や△3五歩▲同歩△同銀から角のラインを活かした攻めが考えられます。そこで▲7七桂△3三桂と進みます。AI的にはそのあとに

①▲2六歩△2一玉▲6五桂と攻めていくパターン。▲2六歩は相手の△2五桂を防いでいる意味があります。木村美濃や銀冠では3七の地点を攻められるのが厳しい。

②▲4九飛△8六歩▲同歩△同飛▲7五歩のパターン。

ともに+270くらいの互角です。

本譜は▲8九飛△2一玉▲6八金△2二銀▲5八金△3一金▲6五桂。この局面は+450で先手が有利のようです。▲5八金の局面でも▲6五桂で先手有利。

選択肢は①▲5一角②▲7三桂成③▲7五歩④▲5五同歩

①▲5一角は+450。以下、△6五桂▲同銀△5二飛▲6四銀△5一飛に▲7三角が良い手で、△4一飛は▲5五銀、△7一飛は▲6二角成△6四歩▲7一馬△5六歩▲2六桂で+550ほどの先手有利です。この順を選ばなかったのは▲7三角が見えておらず▲6三銀成△5六歩では自信なしとの判断です。今見返すと▲5五銀もありましたね。

②▲7三桂成は+350。以下、△同角▲5五歩△8六歩▲同歩△8六歩▲同歩△5五銀▲6五桂△6四角▲5五銀△同角が自信なしで断念。以下、A▲7三角△同角▲同桂成△8八歩で自信なし。成桂ができても活躍する未来が見えない+桂馬は▲2六桂と使いたい。正解はB▲5四歩で歩切れにすることで△8八歩を消す意味があります。そのあとに▲7三角△同角▲同桂成△8一飛▲7二角から馬を使って攻めると先手やや有利です。

③▲7五歩は+240。以下、△6五桂▲同銀△7五角で▲7五歩と突く意味・・・となってやめました。

④▲5五同歩は+7。互角に戻ってしまいます。まず△同銀しか読んでおらずその場合は+400の先手有利でした。▲同銀△同角▲7三桂成△同角▲6五桂△9五角▲5四歩で②の変化に合流します。しかし、▲5五同歩には△6五桂が良い手。

以下、▲5四歩△8六歩▲6五銀△5五角▲8六歩△7七角成▲2六桂△3五歩▲3四桂△3六歩▲7三角で次の図。

ここでは先手有利になった局面。手順中△3五歩が疑問手で代えて△7八馬▲3九飛△8六飛ならば互角の流れでした。△9二飛や△7二飛が本線でしたが、本譜は△8六飛。このさばきで負けるならば振り飛車としてはつらい。したがって、▲同飛△同馬▲8一飛で優勢を意識。AI的にも+800。相手も秒に追われて△8三歩。この歩で負けると振り飛車的にはさらにつらい・・・(単純な一手パスだから)

ここでの第一感は▲8七歩だが、この終盤戦でそこに歩を打つのがあまりにぬるそうということで断念(ほんとは+1300)。最近は秒読みでの形勢判断がバグっているレベルでずれていてつらいですね。

本譜は▲2二桂成△同玉▲3四歩△2五桂。これが正直先手としては嫌な展開。そのうち△3七桂打もあり感想戦でも先手負けかなという話になりましたが、+1200で先手が良いらしい。ほんとに形勢判断ができない・・・

なぜ、先手自信ないと判断したかというと、相手玉が堅い(▲3三銀と打ち込んでも越△同銀▲同歩成△同金となったときに馬が良く受けに利いている)+△7八飛が厳しい。

ただ、△7八飛にもだいたいの有効手はどれも先手優勢or有利。その中でも▲4五歩が+1400。以下△5八飛成▲4六歩が怖すぎて(自玉やばそう+相手玉に詰みがない)断念しました。△2四桂は▲2五銀△3六桂打▲1七玉△3八竜は逆に今度は自分の馬が受けによく利いていて勝ち。

当面の課題は難易度の詰将棋をやり込むこと。そうすればだいたい詰むかどうかがわかるようになって形勢判断も以前のようにできるようになるのではないかと・・・

本譜は△8八飛。これは▲3三銀△同銀▲同歩成△同金▲3四歩で勝ち!と思って踏み込みましたが、

この後の攻めがやはりわからない。やはり▲4五歩で勝ちのようですが、当然その前の局面で却下しているので読みにすら入っていない。

本譜は▲3三銀△1二玉▲4四銀成。本譜の順を考えると▲4四銀不成とすべきでした。後ほどわかります(とはいえどちらも先手優勢)

ここで▲3三歩成で勝ちらしい。△1七銀などの攻めもありますが▲3六銀が良く利いており先手玉に詰みがないらしい。△4九銀には▲3九歩でも▲2五銀でも先手勝ち。▲3三歩成の踏み込みはできないです・・・本譜は▲4八金打(+700)で粘りにでることに。

以下、△2四桂▲2五銀△3六桂打▲1七玉△4八竜で次の局面。

この局面はよく見ると、△3八竜とされても先手にまったく詰みがない。ということはここが攻めどころ。

①▲3三歩成、②▲3五桂などが考えられる。

①▲3三歩成は△3五金の詰めろが気になりますが、▲2三と△同玉▲3四成銀△同金▲同銀△同玉▲3五歩△2三玉▲3四金で絶対に先手玉が詰まない形なので先手勝ち。

②▲3五桂は△3五金を消した一着。以下、△3八竜▲2三歩成△同玉▲3三歩成△1二玉▲2四玉で先手が詰まず、後手玉が詰めろで先手勝ち。△2二歩の受けは▲2五桂で勝ち。

本譜は▲4八同金としたことでー700。そこで△3五金が厳しい。もし、▲4四銀不成であればこれがなかったので、先手良かった。

以下、▲3六銀△同桂▲4五歩△3九銀打で受けが利かず負け。△4五歩に代えてまだしも▲3八金とすべきでした。

▲3八金に△5九馬が詰めろで断念しましたが▲3七桂打で逆転だったようです。したがって、△2五銀(△1六銀▲同玉は△1五歩からの詰み)▲3七桂打(or▲4五歩)でー600。もう一波乱あった気がします。

薄い玉で戦う場合は、全体を通しての形勢判断がそれなりにできること+終盤での詰みの判断が必要ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA