棋譜検討の重要性(兵庫県朝日アマ将棋名人戦振り返り)

少し前にはなりますが、8月24日。兵庫県朝日アマ将棋名人戦に出場しました。

予選を通過し、決勝トーナメント1回戦で敗退しました。

その対局を振り返ってみようと思います。

先手が相手の方です。

▲3八飛で3筋の歩交換を目指した局面。中飛車としては▲3五歩△同歩▲同飛△4四角▲3八飛△3二飛の決戦があり、中飛車自信のある展開。ただ他に動かしたい駒がなく1手パスしたいと対局中で考えていましたが、今見ると△3二飛で備えるのが本筋だったかもしれません。

実戦は△4四角。これは▲2八飛に△3三角で千日手は後手としては歓迎という意味ですが、やや消極的。

数手進んで上の局面。

振り飛車としては十分形。自玉堅い+大駒の働きも悪くない。

5三金が6三金ならば△4五歩と突くところですが、現状▲4五同桂が金当たりになってしまいます。したがって、△3三桂▲5六歩で開戦。今、冷静になって考えてみると△5六同歩▲同金(▲同銀は△3六飛)△5五歩▲5七金と進んで、振り飛車としては不満のない展開だったと思います。

対局中は△5六同歩▲6五歩の決戦を気にしましたが、△6五同銀▲同銀△同歩▲3五銀△同飛▲同歩△6六銀▲同金△同歩▲同角△3六歩▲同銀△7六金▲8八角△5七銀で後手優勢。

自玉は鉄壁で、先手陣は▲5九金には△4六銀成、▲4七金にも△4六銀成!▲同金△5七歩成▲6八歩△6七歩で一手一手。飛車を取られたくないという気持ちが強すぎて、△6五歩・△5六歩の拠点の大きさを軽視したのが良くなかったです。

さて、本譜は▲5六歩に△4五歩でさらに開戦!▲6八角△4四金で力技で対抗。以下、▲5五歩△同銀▲5六歩△4六銀▲同銀△同歩▲同角△4五桂。こうなると、振り飛車としては気持ちよくさばいて有利。

懸念点は▲6四角~▲7四桂で、有利だとはわかりつつも嫌な筋がちらつく展開でした。以下、▲3五銀△3七桂成▲同角△3五金▲同歩。

もちろん、第一感は、△3五同飛。これで後手有利です。しかし、どうしても▲6四角~▲7四桂の筋がちらついてしまい、△4四飛と受けに回ったのが悪手。今考えると、▲6四角ならば△6三銀打▲7四桂△同歩▲3九飛成で何の問題もなかったですね。このへんの勝負勘が鈍っているのが実戦不足である証拠。普段から実際に駒を握って、ひりひりする将棋を指さなければいけないと反省です。

ここから立て続けに悪手を指すのですが、△4四飛▲4七歩(▲5五角だとばかり思っていた)△6二角(狙いがよくわからない)▲5五角△4五飛▲6四角で、先手有利に。どう考えても、数手前で後△3五同飛とした方が条件が良かったですね。

以下、△6三銀打▲7四桂△同銀▲同歩△3五飛▲3七歩△3四飛▲7三歩成△同銀▲4六角△4五歩▲5七角。

互角に戻した局面。△3七飛成は▲2四飛~▲2一飛成や▲7四歩が厳しい。したがって、ここでは△7五歩▲同銀△7四歩▲8四銀と7四の傷を消してから△3七飛成とすべきだった。

本譜は△8四桂と攻めあうも▲6三銀がかなり嫌な手。自玉が薄く傷だらけの状態で攻めあうのは良くないと教えるものの自分が実践できていませんでした。

ここで△7六桂▲同金△8四桂▲8六金△7七歩のように攻めあうのもありましたが、本譜は△7二銀▲6二銀成△同金▲4三角△3七飛成▲2六飛。

ここで渾身の△3三竜。しかし冷静に見ると△2三歩がありましたね。

以下、▲7四歩△同銀(△4三竜とすべきだった)▲5四角成△7六桂▲同金△2四竜▲同角△6九銀▲同玉△2九飛▲5九銀△2四飛成の大技が決まり、やや指しやすさを感じていました。

しかし、秒読みの最中、▲6四飛の勝負手に判断を誤ってしまいました。

①▲7二馬△同金▲2四飛がある。

②ただし自玉は詰めろではない。

③△3五角が攻防手になりそう。

つまり、ここでは△5七歩が後手優勢になる一着でした。

A▲6二飛成は△5八歩成▲同銀△6八金▲同玉△3五角。

B▲7二馬△同金▲2四飛△5八歩成▲同玉△3五角

C▲6八金△6七歩▲同金△5八銀▲同銀△同歩成▲同玉△2八竜▲4八桂△3六桂

ということで、どの展開も後手優勢でした。残念ながら30秒でその手順が読めず△5四竜▲同飛に△6三銀打。ここで△6三銀打が堅いようで良くない受け。△7三歩と受けるべきでした。本譜の△8六桂が良い手で▲7三歩と受けましたが、ここでも▲7五歩と攻めあうべきだったようです(互角)。

以下、▲5一飛成△6一歩▲9四桂!これでしびれました。しかし、実際には△同香▲9五歩に△5二金がしぶとい受けで7一~6二の逃走ルートを作って互角だったようです。具体的には▲1一竜△8四桂▲7七金△8八角で相手玉が壁なのを活かして攻めるとよかったようです。

したがって、いきなりの▲9四桂ではなく▲9五歩ならばやや先手有利だったようです。

本譜は端で頑張って受けてそのまま押し切られてしまいました。

ここ最近の課題を大局観・形勢判断が案外間違っていることです。

普段の活動の中でもAIを取り入れ、棋譜の検討の重要性を実感する一局でした。

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