2025夏 白陵将棋部合宿

8月16日~18日にかけて今年も白陵将棋部合宿を行いました。

場所はしあわせの村。

今年は新入部員(中1)が13名も入部し、部員総勢50名弱。なかなか部員同士の顔・名前が一致しない状態。今回の合宿では各個人の棋力up+各個人の課題を見つけること、それに加えて部員間の交流を深めるのが目的でした。

この合宿には、島本先生をはじめ、将棋教室の先生方、OBの方々が、指導に来てくださいました。

1日目の午前中

今回の合宿の初日は、先生方・顧問・OBの方々の講義を2時間!みっちりしていただきました。

  • 有段者用の中飛車対策
  • 有段者用の強くなる次の一手講座
  • 有段者用の居飛車vs四間飛車の指し方
  • 有段者用の角換わり
  • 初級者用の居飛車vs振り飛車の指し方
  • 初級者用の囲いの崩し方
  • 初級者用の歩の手筋

合計7つの講座を開いたのは、合宿始まって以来過去1。これは白陵将棋部がたくさんのOBを輩出し、育ってきた結果かもしれません。今後もこのような講座が開けるようにしていきたいものです。

1日目午後

午後練習前半は午前中に習った講義を参考に対局。3時間ほど30秒将棋でひたすら指し続けました。この対局ではお互いに交流を深めるのも目的で自己紹介カードを持ちまわりながら対局数を重ねました。

そして、午後練習後半。後半3~7手の詰将棋を1時間解き続きました。以前は終盤力が課題だったがかなりレベルアップしている部員もおれば、この詰将棋で終盤力が課題であることが浮き彫りになった人もいました。

1日目夜

白陵合宿では恒例のドラフト団体戦。4人のチームリーダーがメンバーを集め、チーム同士で対決。

夜はまずは3人でチーム対抗リレー将棋。お互いの指し手の意味を考えつつチームでバトンを渡すハラハラドキドキの将棋対決。チームメイトの指し手の意図がわからないのか、自分の指し手ミスを嘆いているのか、各所で悲鳴が上がっていました。リレー将棋名物!これがまた楽しく交流がより深まったように思います。

2日目朝

白陵将棋部合宿の朝は詰将棋から始まります。運動部で言う朝のランニング。勉強では朝に計算問題を解くことで、脳を活性化させ、勉強のスイッチを入れる効果があります。特に、思考力や集中力を高めるのに役立ち、学習効果を向上させることが期待できます。それが将棋部では「詰将棋」になります。

2日目午前

午前の前半では、駒落ちありでのドラフト団体戦が開催されました。なれない駒落ちに四苦八苦している人もいましたが、いろいろな人と対局ができました。

午前の後半は、有段者は「OB・先生に挑戦!」。OB・先生側に時間差のハンディを付けて部員が挑む企画。たくさんの部員で挑むことでOB・先生側にミスが目立つようになり、一発どころか何発も入れることができました。一方級位者は、再度講義をして、囲いの組み方や攻め方なども再度確認することになりました。

2日目午後

午後の前半はこれも白陵名物?「教え将棋」。棋力差がある二人がペアを組み、教えあいながらチーム対抗で対局しました。毎度のことですが、教えることの難しさ・また強い人の将棋のとらえ方などお互いに学ぶべきものが多い練習でした。

午後の後半はいよいよチーム対抗でのガチ団体戦。12人vs12人の団体戦でいろいろなところでドラマがありました。

2日目夜

夜は午後後半に引き続き、今回のドラフト団体戦を閉めるガチ団体戦最後の1戦。優勝を奪還しようと奮起するチーム、1つでも順位を上げようとするチーム。最終的には大波乱が起き、順位が大きく入れ替わり、順位が決まりました。

3日目朝

この2日で脳も疲労困憊。それでも朝はやってきます。そして、やはり「詰将棋」。疲れた頭でもさらに負荷をかけることでエンジンを大きくしていきました。

3日目午前・午後

本合宿では、3日目に近大附属高校さんと合同練習となりました。今回の合同練習では、3人団体による近大vs白陵vs顧問チーム。

近大さんは、全国高校団体戦で予選を通過する超強豪校。近大vs白陵では胸を借りることになりレベルの高さ・層の厚さを実感しました。特に近大附属高校の定跡の整備(研究)が行き届いているところは素晴らしいと思いました。次に合同練習する際にはいい勝負ができるように鍛えていくのが目標となりそうです。

さて、その近大を倒すべく結成されたのが顧問チーム。意気揚々と臨むも出だしから敗戦し、そのままずるずる負けが込んでしまいました。合宿3日目ともなると、顧問にとっては身体的にも脳的にも疲労困憊していたようです。

今回の合宿でもいろいろな方々の協力を得て実施することができました。普段の活動では体験できない貴重な経験を積めたのではないかと思います。その中で新たな気付きを得たり、自分の課題を見つけたりするなど、今後の活躍に活きる3日間となりました。

ちょっと振り返り①

反省の意味も込めて少し振り返り。

vs近大附属高校の六段

中飛車に対して、5筋を奪還されて△7五歩と仕掛けられた局面。もし、この△7五歩の仕掛けでつぶれているのならば、一手前の▲4七銀に代えて▲7八金とすべきところ。実際には、△7五歩▲同歩△7二飛に▲6五歩が振り飛車らしいさばきでやや振り飛車有利(+340ほど)以下、△7五銀▲4五歩△5三銀と進んだのが次の局面。

この局面で持ち時間をすべて使い切り(5分)、選んだのが、▲5五角。悩んだのが▲4六銀。AIによると、①▲5六歩②▲4六銀が正解だったようです。▲4六銀は薄い玉からさらに薄くなるので指しづらく、▲5六歩は言われてみれば納得の一手。こういう手が実戦で読めるようになったら、世界が広がりそうです。

本譜の▲5五角も悪くはないですが、△5五同角▲同飛△3三角▲4六角△5四歩▲5六飛。この最終手の▲5六飛でほぼ互角。やはりは飛車は下段(▲5九飛)に引くべきでした。

数手進んで次の図。

普通は「これだけ駒がさばけたら振り飛車有利だろ」というのが振り飛車党の感覚ではあったのですが、いかんせん相手玉への迫り方が難しい。加えて△5七銀成や△5五桂(3五桂)▲3八銀△4六香が非常に嫌らしく、考えれば考えるほど局面を悲観してしまっていました。しかし、AIによる評価は+700の先手有利。

では、実戦30秒の思考での候補は、①▲5九香②▲5八歩③▲3九角。(いずれもほぼ互角になる疑問手)すべて△3五桂の筋が嫌らしく、却下して指した手が▲7六飛。△5七銀成に▲7二飛成(-400)の攻め合いや、▲5八金左(-600)が本線でしたが、指す直前に▲5八銀の方が味がいいかもと指した手が大悪手。多くの場合において、第一感が正着なことが多いです。△4七香▲3八金△4八成銀▲4七銀△同成銀▲同金△4九角。

これが△3八飛の詰めろと△7六角成の飛車取りがあり投了。30秒での選択の精度が課題でした。

では、▲7六飛に代えて何が正解か。順に①▲3六香②▲8四角③▲4六桂。

③の▲4六桂は、vs居飛車では必須の手筋。これが思いつかいないのはやはり実戦不足か。②の▲8四角は、美濃囲いならば▲3九角がお馴染みの受けだが、今回はその角が目標になりやすい。したがって反対側から打とうという一着。多くの場合は成立しづらいが今回は相手が歩切れのため△7五歩で角道の遮断がないのが利点。さて、①の▲3六香は指されてみると納得の一手で、歩切れをついて次の▲3四香が厳しい。また受け方も難しく、△2二桂ではこちらに対する脅威がなくなる+相手玉が壁形になるので先手優勢でした。

ちょっと振り返り②

vs近大(アマチュア名人戦の大阪府代表経験者)

三間飛車に対して向かい飛車を指されました。7筋を奪還され7筋の厚みを築く△7三銀とされた局面。

このまま、△7二金~7四銀~7三桂のように上部を厚くされると、飛車角抑え込まれ勝ち目がないとの判断した結果、▲6五歩から開戦。ただ、AI的には▲4六歩~3六歩~3七桂のように相手の飛車を追い返して互角のようです。

▲6五歩の開戦は相手の6一の金が浮いているということ、角の打ち込む隙があるということ、などから角交換を挑むチャンスと判断しました。当然△5五歩で開戦拒否ですが、それに▲3六飛。これは▲3四飛~4四飛のようにあくまで角を手持ちにして相手陣に打ち込みたいという主張。

数手進んで次の図。

この局面は△6五銀と先手陣にプレッシャーをかけた局面。△7六歩や△6六歩がちらついて気分は良くないが、大体の手は何指してもそんなに評価値は変わらず、-100~-200ほど。そんななか秒に追われて指したのが▲6六飛。こういう手は、わざわざ今取らなくても△7六歩▲8六角△5六歩など角を活かした攻めを見せた瞬間に切るのが将棋の手筋。部員にはよく伝えている指し方ですが、いざ自分が対局すると忘れてしまったり実践できなかったりするもの。将棋は難しい。当然、やや後手有利にふれることとなった(-300)

数手進んで次の図。

攻め駒を一掃し先手が桂得だが、自玉が薄い。△4五飛で角取りに指された局面。ここでの第一感は▲3四角成。ただし、△6五飛▲6六銀で銀を使わされる+3三馬が自陣に利かなくなるのがどうかなと思い、それならば▲8七角成が相手の飛車打をいい感じに消した渋い好手だろと思って指したのが大悪手。次の手を指されて愕然としました。

それが△5六歩。何気ないたたきですが、▲同金は△4九飛が詰みを見た決め手。したがって泣く泣く▲5八金と引くしかないが、こんなところに歩があって勝てるどおりはないのですが、粘っているとやはり秒読み将棋で相手のミスが出て、逆転勝ち。最後まであきらめなければ、勝負はどう転ぶはわからないものです。

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